基準値 結核菌群であり,rpoB遺伝子に変異ありの結果が得られた場合にリファンピシン(RFP)耐性結核菌と判定される
測定法
・Line Probe法(ジェノスカラー・RFP-TBⅡ)を用いて測定する
・RFPの抗菌活性の作用機序はRNAポリメラーゼのβサブユニットに結合することによるRNA合成阻害である.その耐性機序は,RNAポリメラーゼのrpoBの点変異であり,RFP耐性との間に強い相関があることが確認されている.本法は喀痰または分離培養で得られた菌から核酸抽出を行い,PCR反応にてrpoB内の一部の領域(core region)を増幅させ,その領域に変異があるかどうか検出する.検出は,ビオチン化増幅DNAを10種類のプローブが固定化されたストリップとハイブリダイゼーション反応させ,さらに酵素標識ストレプトアビジン系で発色反応させて行う.そして,ストリップ上で発色したプローブの本数および位置から結核菌群の同定ならびにRFPの耐性(rpoBの変異を検出)の判定を行う
検体量
・喀痰約1mL
・固形培地(小川培地など)上の培養菌を1/2白金耳量
・液体培地培養菌の場合は菌液を遠心濃縮後,目視可能程度の菌のペレット
日数
・喀痰から直接検出の場合:1~2日
・分離培養菌からの検出の場合:分離培養数週間後に集菌または菌ペレットとして菌が得られてから1日以内
目的 喀痰および菌体を用いた結核菌群同定とRFP感受性の有無の同時測定
Decision Level
●rpoB遺伝子に変異が認められる
[高頻度]結核菌でRFP耐性:結核菌群特異プローブと陽性反応を示し,結核菌群であり,RFPのrpoB遺伝子に変異が認められ(変異型),RFP耐性菌と考えられる [対策]下記「変異が認められない」場合の対策と同様
●rpoB遺伝子に変異が認められない
[高頻度]①結核菌でRFP感受性:結核菌群特異プローブと陽性反応を示し,
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