診療支援
検査

ツベルクリン反応〔ツ反〕  
★★
tuberculin skin test《Mantoux test》
人見 重美
(筑波大学大学院教授・医学医療系感染症科)

基準値

●陰性 発赤の長径9mm以下

●陽性

・弱陽性:発赤の長径10mm以上

・中等度陽性:発赤の長径10mm以上で硬結を伴うもの

・強陽性:発赤の長径10mm以上で硬結に二重発赤,水疱,壊死などを伴うもの


測定法 肉眼計測


検体量 0.1mL皮内注射(8~9mmの丘疹をつくるようにする)


日数 2日間(約48時間)


目的 結核菌感染の既往の判定


NOTE‍ 保険点数:16点(皮内反応検査)+検査に使用した薬剤料


Decision Level

●陽性

[高頻度]結核菌に感染した場合,あるいはBCG接種後 [対策]結核菌感染を疑ったら,速やかに胸部X線と複数回の喀痰(あるいは胃液)の抗酸菌塗抹・培養検査を行う


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 ツベルクリン反応(ツ反)とは,結核菌由来の蛋白様物質〔精製ツベルクリン(PPD)〕に対し,結核菌に感作されたヒト・動物が起こす,遅延型アレルギー皮膚反応である.

 結核菌感染後,4~6週間で陽転する.非結核性抗酸菌の感染でも交差反応が起こることがある.わが国ではBCG(ウシ型結核菌由来)接種者が多いため,陽転者であっても,結核菌感染によるものかBCG接種によるものか区別が難しい.しかし,BCG接種者でも,ツ反が強陽性に転じたり,新たに硬結や水疱が出現した場合などでは,結核菌感染を疑う.BCG接種者での反応性は,接種後1年以降から徐々に減弱し,結核菌に曝露しなければ10年以上持続することはない.

 医療従事者など結核菌に曝露するリスクが高い集団に対して,事前にツ反のベースライン値を測定しておくことがある.この場合,BCG接種後時間が経っている人では,1~3週間の間隔をあけて2回検査を行い,2回目の結果を採用する.これは,一度ツベルクリン検査を行うと,検査薬に含まれるPPDがブースターとなり,再検査時の反応性が増強しうるからである.日本では発赤の長径で判定するのに対

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?