診療支援
検査

淋菌遺伝子検査  
Neisseria gonorrhoeae gene analysis
井田 陽子
(杏林大学医学部付属病院・臨床検査部)

基準値 陰性


測定法 液相ハイブリダイゼーション法(DNAプローブ法),PCR法,LCR法,SDA法,TMA法,HPA法,DKA法


検体量 子宮頸管擦過物,男性尿道擦過物,男性初尿(2~8mL),咽頭擦過物(うがい液も可)


日数

・院内検査:3~5時間

・院外検査:2~5日


目的‍ Neisseria gonorrhoeae感染症の迅速診断


NOTE‍ 保険点数:204点(淋菌核酸検出),270点(淋菌およびクラミジア・トラコマチス同時核酸検出)


Decision Level

 「淋菌抗原定性」の項を参照


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 現在,日本で使用可能な核酸増幅検査はSDA法,TMA法,real-time PCR法,TaqMan PCR法である.

●SDA法

 SDA法は一定温度下,短時間で核酸増幅を行う.本方法では,淋菌細胞の染色体DNAの一部である103塩基対を核酸増幅の標的DNAとし,この標的DNAに相補性をもつ4種類のプライマーと1種の検出プローブを用いて核酸の増幅を行う.検出感度は,5~25cells/testである.

●TMA法

 rRNAをターゲットとして増幅する.本方法は他のNeisseria属との交差反応がなく,咽頭擦過物を用いた検査材料において有用性が高いと考えられている.また,rRNAをターゲットとした方法では理論的に死菌を検出しないことから,診断および治療効果判定の精度が向上することが考えられる.

●real-time PCR法

 淋菌のOpa遺伝子上のターゲットDNAを増幅し,増幅DNAとハイブリダイゼーションで蛍光標識した特異的NG PCRプローブを結合させ,検出する方法である.

●TaqMan PCR法

 口腔内常在Neisseria属との交差反応のない遺伝子領域(DR-9)を標的とし,また同時にvariant用のプライマーとプローブも加えた方法である.


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