診療支援
検査

クラミジア類 クラミジア・トラコマチス  
Chlamydia trachomatis
藤本 文恵
(東京大学医学部附属病院・感染制御部)

基準値

●抗体検査

・EIA(IgG,IgA):0.9未満

・ELISA(IgM):0.9未満

・FA(IgG,IgM):血清10倍未満,髄液1倍未満

●抗原検査 EIA,FA:陰性

NOTE‍ 抗体検査の判定基準(EIA)

・0.9~1.09:判定保留(10日以上経てから再検査を要する)

・1.10以上:陽性


測定法

・抗体検査:ELISA(IgM),EIA(IgG,IgA),FA(IgG,IgM)

・抗原検査:EIA,FA


検体量

・抗体検査:血清0.2mL

・抗原検査:尿沈渣,部分尿,尿道分泌物,腟分泌物,眼脂


日数 2~5日


目的 クラミジア・トラコマチス感染症の診断


NOTE‍ 保険適用:FA法による抗体検査は保険適用されない.保険点数:156点(クラミジア・トラコマチス抗原定性),200点(グロブリンクラス別クラミジア・トラコマチス抗体)


Decision Level

●陽性

[高頻度]①血清型A,B,C:トラコーマ(伝染性慢性角結膜炎),②血清型D,E,F,G:非淋菌性尿道炎,慢性前立腺炎,子宮頸管炎,卵管炎,周産期感染症,新生児結膜炎,非適時破水 [可能性]①血清型A,B,C:封入体性結膜炎(小児,成人),②血清型D,E,F,G:精巣上体炎,慢性骨盤内感染症,流産,早産,死産,低体重児,③血清型L-1,L-2,L-3:鼠径リンパ肉芽腫(第四性病) [対策]頸管からの抗原検出は1回では困難なので抗体検査を併用.IgA(+)・IgG(+,±,-)の場合,クラミジア感染の疑いで抗原検査が望まれる.IgG(+)・IgA(±,-)ではクラミジア感染既往あるいは感染の疑い,10日後再採血で再検査あるいは抗原検査が望まれる.IgG(-,±)・IgA(±,-)は保留域,10日後再採血で再検査が望まれる


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 クラミジアの増殖環は,細胞への感染→基本小体の食胞内増殖→基本小体から網様体

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