基準値 表172図参照
測定法 酵素法
検体量 血清0.6~1.8mL
日数 2~8日
目的 深在性カンジダ症の補助診断
Decision Level
●D-アラビニトール/クレアチニン比が基準上限以上
[高頻度]深在性カンジダ症 [可能性]高齢者,女性で高値の傾向 [対策]カンジダの分離同定.β-D-グルカン,カンジダ抗原などの検査成績を総合的に判定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
D-アラビニトールはカンジダ属の主要な代謝産物(増殖時に産生される)で,深在性カンジダ症患者の血清中で濃度が上昇する.D-アラビニトールに,β-NADの存在下でD-アラビニトール脱水素酵素を反応させたとき,β-NADは,還元型のβ-NADHに変化する.このβ-NADHをジアホラーゼとともにレサズリンに反応させ,レサズリンがレゾルフィンに変化する初速度を蛍光光度計で測定することにより,D-アラビニトール濃度を求める.カンジダの増殖および腎機能低下時にD-アラビニトールは高値となる.
[関連する検査]
①カンジダは常在菌であるため分離されても原因菌とは限らない.無菌的な検体からカンジダが検出された場合に有意と考える.②β-D-グルカンは真菌に共通する細胞壁成分を検出するので,カンジダを特定し得ない.③カンジダ属に特異的な抗原を, ラテックス凝集反応, ELISAなどを用いて検出する複数のキットが存在するが, 菌種の同定は不可能である. また,各々のキットに使用されている抗原や抗体の特性によって, 菌種ごとの検出感度・特異度が異なることも留意すべきである.④遺伝子検査法(リアルタイムPCR法を用いた定量的遺伝子検査,nested PCR法を用いた定性的遺伝子検査など)が商業的に利用可能であるが, 保険収載されていない.
判読
D-アラビニトール/クレアチニン比で判定する.日差変動3.8%(n=10).日内変動
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