診療支援
検査

C型肝炎ウイルス遺伝子検査〔HCV-RNA〕  
hepatitis C virus RNA
内田 義人
(埼玉医科大学・消化器内科・肝臓内科)
持田 智
(埼玉医科大学教授・消化器内科・肝臓内科/診療部長)

基準値

 健常者の場合は検出されないので,ここでは検出限界などを中心に示す

●HCV-RNA定量

・リアルタイムPCR法:未検出(検出レンジ:未検出~8.0Log IU/mL)(定量下限:1.2Log IU/mL)

●HCVジェノタイプ

・リアルタイムPCR法:未検出

●HCV-NS5A ISDR(インターフェロン感受性決定領域)

・塩基配列決定法:基準となる塩基配列と比較し,変異アミノ酸数から野生型,中間型(1~3個),変異型(4個以上)に分類する

●HCV薬剤耐性変異(L31/Y93)

・ダイレクトシークエンス法:変異なし


測定法 上記基準値に併記


検体量 血清0.5~1mL


日数 3~7日(HCV薬剤耐性変異は10~14日)


目的 治療法の決定,治療効果予測


NOTE‍ 保険点数:340点(HCV核酸検出),424点(HCV核酸定量).保険適用:HCV-NS5A ISDR,HCV薬剤耐性変異は保険適用されない


Decision Level

●陽性

 リアルタイムPCR法で1.2Log IU/mL以上

■定量検査

 インターフェロンを含む抗ウイルス療法の際には治療法の選択に用いられたが,現在の抗ウイルス療法の中心である直接作用型抗ウイルス薬(DAA)治療においては治療法の選択基準には用いられない.

NOTE ジェノタイプはインターフェロン治療,DAA治療いずれにおいても治療法選択の基準に用いられる


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 HCV感染の有無は,ELISA法によるHCV抗体(第3世代)が一般的に用いられているが,現在のウイルス血症の有無にはHCV-RNA定量で検査する.HCV-RNAが検出されれば抗ウイルス療法を検討する.以前はインターフェロンを用いた抗ウイルス療法が用いられていたが,現在ではほぼすべての患者がDAAで治療されている.DAAによる治療法の選択にHCVセロタイプ(あるいはジェノタイプ),

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