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検査

新型コロナウイルス・RSウイルス核酸同時検出《SARS-CoV-2・RSウイルス核酸同時検出》   700点
simultaneous detection of SARS-CoV-2 nucleic acid and RS virus nucleic acid
北村 義浩
(日本医科大学医学教育センター個別化教育推進部門・部門長(特任教授))

基準値 陰性(検出せず)


測定法 PCR法


検体量 鼻咽頭ぬぐい液適量,鼻腔ぬぐい液適量


日数 1~3日間


目的 COVID-19を疑う患者を対象としてSARS-CoV-2感染,または RSウイルス感染の診断補助


Decision Level

●陽性

[高頻度]COVID-19またはRSウイルス感染症 [可能性]偽陽性 [対策]COVID-19を疑う患者を対象とし,無症状者には適用しない

●陰性

[高頻度]ウイルスの非存在,回復期 [可能性]偽陰性.陰性でもそれぞれの疾患を否定できない [対策]無症状者には適用しない.翌日に再検査

●判定不能(Ct値が高い)

[高頻度]回復期 [対策]再検査


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 鼻咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液に含まれるRSウイルスRNAまたはSARS-CoV-2のRNAをRT-PCR 法で検出する.RNA調製は別途必要である.この2つのウイルスの感染症の臨床所見は類似するので迅速な鑑別に有用である.


[感度・特異度]

 最小検出感度(GENECUBE測定で):SARS-CoV-2は10 コピー/テスト,RSVは 75 コピー/テスト.感度は高いと考えられる.特異度はきわめて高い.


[関連する検査]

①当該項目で,2022年9月末時点で薬事承認されたのは新型コロナウイルス核酸検出のジーンキューブHQ SARS-CoV-2にRSV検出を付加したキットとして,ジーンキューブHQ SARS-CoV-2/RSVだけである.②実臨床では新型コロナウイルス・RSウイルス抗原同時検出検査をまず試すべきである.③新型コロナウイルス・インフルエンザ・RSウイルス核酸同時検出が2022年10月28日より保険適用となった(700点).


判読

 COVID-19を疑う患者において,発症日(0日目と数える)~15日目で陽性になる.RSVとの鑑別という本キットの目的から考えると無症状者には推

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