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検査

インフルエンザウイルス抗原 A/B型インフルエンザウイルス抗原   139点
★★
influenza A/B viral antigen
栁原 克紀
(長崎大学大学院教授・臨床検査医学)

基準値 陰性


測定法 EIA法,イムノクロマト法


検体量

・鼻咽頭ぬぐい液

・鼻腔吸引液

・咽頭ぬぐい液


日数 10~20分(院内検査)


目的 インフルエンザウイルスによる感染の診断


Decision Level

●陽性

[高頻度]A型およびB型インフルエンザウイルス感染症 [対策]①検出限界を考慮し,A型あるいはB型インフルエンザを疑うが陰性で抗原検出の必要がある場合は,ウイルス分離あるいはRT-PCR法などを試みる.②A型あるいはB型インフルエンザウイルス抗原が陽性であっても,他のウイルスや細菌による重複感染,二次感染の可能性も考慮しておく


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 インフルエンザは,流行規模に差があるものの,毎年必ず流行するかぜ症候群ウイルス感染症の1つである.特に高齢者や乳幼児,呼吸器疾患患者では重症化しやすく,その進行もきわめて速いことから早期診断と的確な治療が必要とされる.インフルエンザウイルスは核蛋白および膜蛋白の抗原性の違いから,A型,B型,C型に区別されるが,C型インフルエンザウイルスはノイラミニダーゼを欠き,またウイルス表面の性質がA型,B型インフルエンザウイルスとは異なっている.

 A型およびB型インフルエンザウイルスの核蛋白に対するモノクローナル抗体の標識に酵素を用いるEIA法に加え,イムノクロマトグラフィー法により,より簡便に迅速抗原検出が可能となった.これにより,インフルエンザと他のかぜ症候群との早期鑑別が可能となり,治療において有効な抗インフルエンザウイルス薬選択の一助となる他,周囲への感染予防にもつながる.


[感度・特異度]

 「A型インフルエンザウイルス抗原」・「B型インフルエンザウイルス抗原」の項参照


[関連する検査]

①A型あるいはB型の型判別が必要な場合は判別できる迅速診断キットを用いる.②必要によりインフルエンザウイルス抗体を測定する.


判読

 「A型イ

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