基準値
●CF 血清4倍未満,髄液1倍未満
●NT
・1型抗体:血清4倍未満,髄液1倍未満
・2型抗体:血清4倍未満,髄液1倍未満
●FIA IgG:0.9(AI)未満
●EIA
・IgG:陰性(血清2.0未満,髄液0.20未満)
・IgM:陰性(0.8未満)
測定法 CF,NT,FIA,EIA
検体量
・CF,NT,EIA:血清各0.2mLまたは髄液各0.4mL
・FIA:血清0.6mL
日数
・CF,FIA:3~5日,EIA:2~4日
・NT:6~12日
目的 単純ヘルペスウイルスによる既感染の把握および治療方針の決定
NOTE *保険点数:79点〔ウイルス抗体価(半定量)〕,206点(グロブリンクラス別ウイルス抗体価:IgG, IgM)
Decision Level
●高値
[高頻度]角結膜炎,歯肉口内炎,ヘルペス性湿疹,ヘルペス脳炎,単純ヘルペス感染症,不顕性感染 [対策]回復期血清で,上昇が認められない場合,1~2週間後に再検する.必要に応じて抗原検出,DNA検出を試みる
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
単純ヘルペスウイルスは,α-ヒトヘルペスウイルス科のエンベロープをもつDNAウイルスで,1型と2型の亜型に分類される.初感染の多くは不顕性感染であるが,感染後,三叉神経節,仙骨神経節に潜伏感染し,疲労,妊娠,怪我,熱性疾患などが原因で,ウイルスが活性化され,口唇周辺,陰部などの皮膚に水疱を生じる特徴を有する.
周産期性器ヘルペスは,性感染症のなかでも,新生児に重篤な症状をきたすため,帝王切開の適応を迅速に判断する必要がある.角膜ヘルペスは,アシクロビルやビダラビンの化学療法が有効なウイルス性疾患であり,ことにアシクロビルによる早期治療は,ヘルペス脳炎などに有効である.
HSV抗体は感染初期に上昇しないため,診断的検査には核酸増幅法などを用いる.
[関連する検査]
HSVのDNA定性検査が有用である.水
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