診療支援
検査

デングウイルス抗原・抗体同時測定   233点
dengue virus antigen and antibody
北村 義浩
(日本医科大学医学教育センター個別化教育推進部門・部門長(特任教授))

基準値 陰性


測定法 イムノクロマト法


検体量 全血(EDTA)または血清0.2mL(採血日時を記録)


日数 1日


目的 デング特異的抗原(NS1)の検出および抗デングIgG・IgM 抗体の検出


Decision Level

●NS1陽性

[高頻度]デングウイルス感染

●NS1陰性あるいは判定不能

[高頻度]デングウイルス非感染 [可能性]偽陰性 [対策]最寄りの保健所に相談のうえ,血液・血清を地方衛生研究所または国立感染症研究所に送付し,デングウイルス分離,核酸検出検査などの行政検査を依頼する

●IgM陽性,IgG陽性

[高頻度]デングウイルス初感染(回復後),再感染(回復期)

●IgM陽性,IgG陰性

[高頻度]デングウイルス初感染(回復期)

●IgM陰性,IgG陽性

[高頻度]デングウイルス再感染 [可能性]デングウイルス感染既往 [対策]デングウイルス核酸検出検査

●IgM陰性,IgG陰性

[高頻度]デングウイルス非感染 [可能性]感染急性期 [対策]デングウイルス核酸検出検査

 いかなる場合も,黄熱,日本脳炎,チクングニア熱,ジカ熱,ウエストナイル熱,セントルイス脳炎,マラリアなどの可能性を検討する


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 第2~6病日でNS1抗原が陽性となる.解熱する頃(第5~6日病日)からNS1は陰転化し始め,代わってIgMが陽性となる.IgGは初感染では第12日病日以降,再感染ではより早期(第5~6日病日)から陽性となる.4つの血清型すべてを検出できる.他のフラビウイルス(黄熱,日本脳炎,ウエストナイル)と交差しない.マラリアと交差しない.


[関連する検査]

 デングウイルス抗原はデングウイルスNS1を検出するが,抗デングウイルス抗体を検出しない.


判読

 抗デングウイルスIgG・IgM抗体検出においてコントロールラインに赤紫色のラインが認められなかった場合,検査は無効である.発症後1週間ま

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?