診療支援
検査

プロカルシトニン〔PCT〕   284点
procalcitonin
久志本 成樹
(東北大学大学院教授・外科病態学講座救急医学)

基準値 0.05ng/mL未満


測定法 免疫化学発光法


検体量 血清・血漿(ヘパリン)200~400μL


日数 1~2日


目的 細菌感染症,特に敗血症の診断と重症度評価(測定時間は20~30分)


Decision Level

■全身性細菌感染症・敗血症の診断

●0.05~0.5ng/mL未満(軽度増加)

[可能性]局所細菌感染症の可能性はあるが,全身感染は否定的である

●0.5~2ng/mL(中等度増加)

[高頻度]敗血症(細菌性)の可能性がある:感染により全身性炎症反応を伴うものを敗血症と診断する [可能性]ウイルス感染症,真菌感染症,自己免疫疾患,手術後,外傷後など [対策]測定を繰り返しながら経過観察.臨床症状から該当する疾患に応じて細菌学検査,免疫血清検査を行う

●2ng/mL以上(高度増加)

[高頻度]敗血症(細菌性)の可能性が高い:ショックや臓器不全を伴う重症細菌性敗血症では10ng/mL以上となることが多い [対策]臨床症状から該当する疾患に応じて細菌学検査,免疫血清検査を行う

■①下気道感染症と②集中治療室入院患者における診断と治療方針

 治療方針の決定においては,基礎病態の重症度により異なる次のカットオフ値が推奨されている

●①:0.1ng/mL未満

●②:0.25ng/mL未満

[可能性・対策]細菌感染でないことを示す.抗菌薬の投与は不要であると判断される

●①:0.1ng/mL以上0.25ng/mL未満

●②:0.25ng/mL以上0.5ng/mL未満

[可能性・対策]細菌感染の可能性は低く,通常,抗菌薬の投与を必要としない

●①:0.25ng/mL以上0.5ng/mL未満

●②:0.5ng/mL以上1.0ng/mL未満

[可能性・対策]細菌感染の可能性があり,抗菌薬療法が推奨される

●①:0.5ng/mL以上

●②:1.0ng/mL以上

[可能性・対策]細菌感染が示唆され,抗菌薬療法が強く推奨される


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