診療支援
検査

サイトケラチン19フラグメント《シフラ21-1〔CYFRA21-1〕》   158点(包)
cytokeratin 19 fragment
安井 寛
(聖マリアンナ医科大学特任准教授・内科学(血液・腫瘍内科))
今井 浩三
(札幌しらかば台病院 先端医療研究センター所長/札幌医科大学名誉教授)

基準値

・3.5ng/mL以下(EIA,ECLIA)

・2ng/mL以下(RIA,IRMA)


測定法 EIA,ECLIA,RIA,IRMA


検体量 血清0.5mL


日数 3~5日


目的 肺癌(特に扁平上皮癌)の診断,治療効果,再発の指標


Decision Level

●高値

[高頻度]肺癌(扁平上皮癌),食道癌,胃癌,結腸・直腸癌,卵巣癌,肝癌,子宮癌 [可能性]肝良性腫瘍,肺良性腫瘍,間質性肺炎,放射線肺臓炎,肺結核 [対策]肺扁平上皮癌では,Ⅰ期,Ⅱ期の早い時期に60%以上の陽性率となり,画像診断,血液学的検査を行うことで診断を確定し,手術などの根治的治療を行う.サイトケラチン19フラグメントは偽陽性が少ないマーカーであり,陽性例には,婦人科領域,消化器を含めた精査を必要とする.また,治療後のフォロー中にサイトケラチン19フラグメントの上昇をみた場合,それが,画像診断などでの再発確認に先立ってみられることがある点を考慮に入れて詳細に全身を精査する必要がある


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 サイトケラチンは細胞骨格の中間径フィラメントを形成するケラチン線維蛋白である.分子量40~90kDaのポリペプチドで,20の亜分画に分類される.そのうちサイトケラチン19のヒト癌における発現が検討されている.1992年Sieberらが2つのモノクローナル抗体KS 19.1,BM 19.21を用いた測定系を開発し,血中のサイトケラチン19フラグメントが特に扁平上皮癌に対して有用な腫瘍マーカーであることを報告した.肺扁平上皮癌において,SCCと比較して,陽性率が高く,喫煙による影響がなく,さらに治療効果との相関も優れている.各種婦人科癌,消化器癌において非扁平上皮癌でも陽性となり,これらの癌の腫瘍マーカーとして有用である.


[感度・特異度]

 CYFRA21-1の非小細胞癌症例に対する検出感度は41~65%で

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