基準値 27U/mLもしくは30U/mL未満(検査機関によって異なる)
測定法 RIA,EIA,CLEIA,CLIA,ECLIA
検体量 血清0.5mL
日数 3~5日
目的 乳癌の腫瘍マーカー
Decision Level
●30U/mL未満(基準範囲)
[高頻度]健常者,乳腺良性疾患 [可能性]原発乳癌,乳癌の局所再発,乳癌以外の癌
●30U/mL以上(増加)
[高頻度]乳癌の転移,再発 [可能性]原発乳癌,乳癌の局所再発,乳癌以外の癌(卵巣,子宮,膵,肺,大腸,胃)
●対策
乳癌患者で異常値を認めた場合には転移巣の存在が疑われるのでCT,超音波,骨シンチグラフィーなどで転移部位の検索を行う.術後患者で高値を認めた場合,再発が疑われるので頻回の画像診断を行う.また,他の腫瘍マーカー(CEA,TPAなど)を組み合わせて測定する.乳腺良性疾患および健常者の偽陽性率は低い(1%程度)
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
CA15-3はhuman milk-fat globule membraneを免疫原とするモノクローナル抗体115D8と,モノクローナル抗体DF3とを併用することで測定される乳癌関連抗原である.115D8は癌に対する感度が高く,DF3は乳癌に対する特異性が高いという特徴があり,これら2つを組み合わせることで乳癌の有用なマーカーとなっている.現在では乳癌および卵巣癌のマーカーとして用いられているが,早期診断には不適で,治療評価,経過のモニターに適している.なお,反応性の違いからCEAとの併用は陽性率を高めるのに有用である.
[関連する検査]
BCA225:CA15-3と同じく乳癌術後のモニタリング,再発乳癌に対する治療効果判定に有効である.
[特定背景のある患者]
①妊娠期,授乳期女性では変動がみられる.②肝や腎障害の影響を受けないといわれているが,肝硬変で50U/mL程度までの上昇がみら
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/CA72-4(糖鎖抗原72-4) [保] 146点(包)
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- 臨床検査データブック 2023-2024/癌関連ガラクトース転移酵素〔GAT〕 [保] 184点(包)
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- 新臨床内科学 第10版/3 精巣腫瘍