基準値 400ng/mL未満
測定法 イムノクロマト法
検体量 乳頭異常分泌液3μL
日数 15分
目的 乳頭分泌異常症における乳癌のスクリーニング
Decision Level
●400~1,000ng/mL(増加)
[高頻度]乳癌(特に非浸潤性) [可能性]境界病変,乳管内腺腫,乳腺症 [対策]乳頭分泌液潜血検査,細胞診,マンモグラフィー,超音波検査,CT,MRI,生検などを実施する.実臨床上は,肉眼的に非血性乳汁分泌液の場合,最初に潜血検査を行い,陽性の場合に本検査が実施されることが多い
●1,000ng/mL以上(高度増加)
[高頻度]乳癌 [可能性]癌以外の可能性は低い [対策]乳癌を疑い,細胞診,マンモグラフィー,超音波検査,CT,MRI,生検などを実施する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
CEAは上皮細胞で産生され構成的に体外へ排出されている糖蛋白である.正常乳腺上皮からも産生されるが,乳癌,特に非浸潤性乳癌での発現レベルが高く,管腔側に分泌されるため,乳頭分泌液中で高値を呈する.乳頭異常分泌症において,乳癌を非侵襲的にスクリーニングできる点で有用である.
[感度・特異度]
カットオフ値を400ng/mLとすると,感度約70%,特異度95%以上である.無腫瘤性(T0)乳癌での有用性が高く,感度および特異度70~80%で陽性となる(詳細は「推奨する総説」を参照).
採取保存
すぐに測定しない場合は遠心分離して細胞成分を除き凍結保存.
保険注意
①乳頭異常分泌患者に対して非腫瘤性乳癌を強く疑い,乳頭分泌液中のCEAを測定した場合に算定する.②乳頭分泌液中CEA定性または半定量と血液検体での腫瘍マーカー検査を同一日に行った場合は,血液検体のみで複数の腫瘍マーカー検査を行った場合と同様に,検査の項目数に応じた点数により算定する.
推奨する総説
関根 進ほか:乳頭分泌液中CEA測定と乳癌症例の検
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