基準値 8U/mL未満
測定法 EIA
検体量 血清0.3mL
日数 3~5日
目的 肺腺癌,再発乳癌およびその他の癌の診断補助
Decision Level
●高値
[高頻度]肺腺癌,膵癌,大腸癌,卵巣癌,胃癌,肝癌,再発乳癌,慢性肝炎 [可能性]肝硬変,慢性および急性呼吸器感染症 [対策]癌の他に,肝疾患や炎症性疾患での陽性率も高いことを認識しておく
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
CSLEXはⅡ型糖鎖のシアリルLexを広く認識するモノクローナル抗体で測定される.
本抗原は健常者の腎臓と顆粒球に,肝炎では肝細胞周囲に証明される他,癌では肺,胃,大腸,乳腺,肝,膵,卵巣などの癌組織で作られて,血清中に証明される.急性相反応物質であるα1-酸性糖蛋白(α1-AG)上の糖鎖にも本抗原がある.
特に乳癌では,進行乳癌・再発乳癌において高い陽性率を示し,原発性乳癌における陽性率が他マーカーと比較して高く,測定値の変動が治療効果判定と一致するため,術後のモニタリングおよび再発の早期発見に有用である.また,良性乳腺疾患における偽陽性率が低い.
[感度・特異度]
癌以外に感染症や慢性肝炎で高率に増加することから,腫瘍マーカーとしての特異性はSLX(シアリルSSEA-1糖鎖:シアリルLex-i抗原を認識)に劣る.
[関連する検査]
CSLEXは腺癌で陽性率が高い腫瘍マーカーであり,CEAやCA19-9などの腫瘍マーカーと関連しているため,それらのほうが優先的に測定されている.また,乳癌のマーカーとしてCA15-3と関連する.
[特定背景のある患者]
肝炎や肝硬変などの肝疾患患者,炎症性疾患患者でも高値を示すことがあることに留意する.
判読
SLX(シアリルLexにGlcNAc),ならびにNCC-ST-439(シアリルLexに硫酸基のついた糖鎖だけを認識)の抗原糖鎖とも反応する.ルイス血液型の影響を受けない.
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