基準値 遺伝子変異を認めず
測定法 ダイレクトシーケンシング
検体量
●病理組織(手術材料,生検材料)
・ホルマリン固定組織
・パラフィンブロック
・未染標本スライド
●凍結組織(手術材料,生検材料)
日数 11~30日
目的 消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)の診断や予後の推定,治療法の選択と効果予測
Decision Level
●遺伝子変異陽性(c-kit遺伝子に1次変異が検出される)
[高頻度]散発性GIST [可能性]多発性GIST家系 [対策]臨床,画像,病理所見(免疫組織化学染色法によるKIT蛋白発現などの確認も含む)を総合的に考慮のうえ,確定診断を行うと共に,外科的治療や分子標的治療薬イマチニブの投与を検討する.なお,c-kit遺伝子変異の起こる部位や,欠失変異,点変異,挿入変異といった変異の種類によりイマチニブの治療効果が異なることが知られている
●遺伝子変異陽性(c-kit遺伝子に2次的変異が検出される)
[高頻度・可能性]分子標的治療薬イマチニブに耐性を示すGIST [対策]分子標的治療薬スニチニブの投与を検討する
●遺伝子変異陰性
[高頻度・可能性]c-kit遺伝子変異陰性のGIST,野生型GIST(若年発症のGISTやCarney-Stratakis症候群のGISTなど) [対策]PDGFRA遺伝子変異検査を行うと共に,臨床,画像,病理所見(免疫組織化学染色法によるKIT蛋白発現などの確認も含む)を総合的に考慮のうえ,確定診断を行い,治療方針を決定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
消化管間質腫瘍であるGISTは40歳以上の中高年に好発し,胃,小腸,結腸,直腸,食道といった消化管に発生する間葉型腫瘍である.その頻度は人口10万人当たり年間1~2人程度であり,人種差や性差は認められていない.臨床的特徴としては多くが無症状であ
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