診療支援
検査

染色体構造変異解析《染色体ゲノムDNAのコピー数変化〔CNV〕およびヘテロ接合性の喪失〔cnLOH〕》《マイクロアレイ染色体検査〔CMA〕》   8,000点
chromosome structural variation analysis,chromosomal microarray
清水 健司
(静岡県立こども病院・遺伝染色体科(ゲノム医療センター)医長)

基準値

閾値(報告最小領域)

●コピー数変化(copy number variant;CNV)

・Loss:10kbおよび5プローブ

・Gain:20kbおよび5プローブ

●ヘテロ接合性の喪失(loss of heterozygosity;LOH)

・5Mbおよび100SNPプローブ


測定法 アレイCGH法 (comparative genomic hybridization;比較ゲノムハイブリダイゼーション)


検体量 末梢血約3mL


日数 2~3週間(その後結果解釈が必要)


目的 適応に掲げられた染色体コピー数異常症やインプリンティング疾患の同定


Decision Level

 基準値をもとに報告されたCNVにおいて,ゲノムデータベースやゲノムブラウザーを用いて当該CNVのサイズ,内包遺伝子の数や性質(疾患感受性や量感受性),一般集団頻度,既知の病原性データを検討し,対象患者の臨床情報や文献情報も組み合わせて総合的に当該CNVの病原性を解釈する.また報告されたcnLOH(copy-neutral LOH)については,当該LOHのサイズや分布などから片親性ダイソミーや共通祖先由来であることが同定(もしくは推定)される場合,潜在するインプリンティング疾患や常染色体潜性遺伝性疾患同定を目的とした追加検査の適応を検討する.

 現在の症状とは関連のない2次的所見の開示については,臨床的有用性や医療管理の実行可能性を考慮し慎重に検討する.

 これらの解釈や診断評価,追加検査や血縁者検査の適応などについては,臨床遺伝の専門家との連携のもとで検討することが望ましい.


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 CGHでは基盤に固定されたオリゴヌクレオチドプローブに対し,各々異なる蛍光標識をした等量の患者検体と対照検体のゲノムDNAに競合的にハイブリダイゼーションを行う.このため患者と対照検体において当該領域(プローブ)におけ

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