診療支援
検査

保険適用される遺伝学的検査  
germ-line genetic test approved by national insurance
大西 宏明
(杏林大学医学部教授・臨床検査医学講座)

基準値 陰性(変異なし)


測定法 PCR法,DNAシーケンス法,FISH法,サザンブロット法,染色体マイクロアレイ法


検体量 血液5mL程度


日数 1週間~2カ月(検査・疾患により異なる)


目的 遺伝性疾患の確定診断

NOTE 保険適用可能な遺伝学的検査は,診療報酬点数表の「D006-4 遺伝学的検査」に収載された疾患を疑う場合に実施できる.2022(令和4)年9月現在の対象疾患および検査対象遺伝子の詳細について,一覧表に掲載した.検査対象遺伝子は,必ずしも当該疾患の原因遺伝子とは限らず,鑑別すべき疾患の原因遺伝子も含まれることに注意が必要である.検査対象遺伝子の詳細や最新の情報については,かずさDNA研究所をはじめとする検査会社(衛生検査所)のウェブサイトを参照されたい


NOTE‍ 保険点数:3,880点(処理が容易なもの),5,000点(処理が複雑なもの),8,000点(処理がきわめて複雑なもの)


Decision Level

●病的変異(pathogenic variant)陽性

[高頻度]当該遺伝子変異を有する疾患(検査目的の,あるいはその鑑別となる疾患)

●VUS (variant of unknown significance)陽性

[可能性]当該遺伝子変異を有する疾患(検査目的の,あるいはその鑑別となる疾患)

●病的変異陰性,および非病的変異陽性

[高頻度]当該遺伝子変異が原因の疾患の除外 [可能性]他の遺伝子の変異,あるいは当該遺伝子の知られていない変異による目的疾患 [対策(共通)]適切な遺伝カウンセリングを行い検査結果を患者に伝え,診断および治療方針を定める


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 疾患により,単一の原因遺伝子を調べる場合と,複数の原因遺伝子,さらには鑑別疾患の原因遺伝子も同時に調べる場合がある.検査目的疾患の原因遺伝子に病的変異がみられれば,目的疾

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