診療支援
検査

尿白血球  
urinary leucocyte
木村 健二郎
(JCHO東京高輪病院名誉院長)

測定法 試験紙法


検体量 10mL


日数 当日


目的 腎・尿路の炎症(感染症および非感染症)の評価


NOTE‍ 保険点数:26点(D000 尿中一般物質定性半定量検査)


Decision Level

●陽性(1+~3+)

[高頻度]尿路感染症(尿道炎,前立腺炎,膀胱炎,腎盂炎) [可能性]糸球体腎炎(感染後急性糸球体腎炎,半月体形成性腎炎,血管炎など),尿細管間質性腎炎(膠原病に伴うもの,薬剤性・アレルギー性など) [対策]①本検査で陽性となったら,尿沈渣で白血球数を確認して白血球尿を確認する.また,尿潜血反応や沈渣で赤血球尿が併存するかどうかも確認する.全身の炎症反応(血液中の白血球数の増加,CRPなどの炎症反応の上昇など.ただし,膀胱炎のみでは炎症反応は上昇しない)も確認する.②尿路感染を疑う場合には,尿中亜硝酸塩,尿培養などで診断を確定する.その後,適切な抗菌薬投与による治療を行う.③尿路感染の可能性が低い場合には,糸球体腎炎や尿細管間質性腎炎などの可能性を考え,尿中L-FABP,NGAL,NAG,α1-ミクログロブリンなどのバイオマーカーを組み合わせて病態を推測する.必要に応じて,自己抗体(抗dsDNA抗体,ANCAなど)や補体価などの測定を行い,膠原病や血管炎などの診断を行う.診断に基づき適切な副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制薬などによる治療を行う


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 白血球および単球中にあるエステラーゼ活性を測定することにより,尿中の白血球を検出する.基質はインドキシルエステルまたはフェニルピロール化合物である.1+,2+,3+はそれぞれ白血球25個/μL,75個/μL,300個/μLに相当する(ウロペーパー®αⅢ‘栄研’).試験紙法と尿沈渣の結果の乖離の原因は,試験紙法では尿中のさまざまな因子により,偽陽性(尿保存剤ホルムアルデヒドなど)になったり,偽陰性(高比

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