基準値
●蓄尿
・30mg/日未満
・30mg/gCr未満(アルブミン指数:クレアチニン1g当たりに補正した値)
・15μg/分未満(albumin excretion rate;AER)
●随時尿
・30mg/L未満
・30mg/gCr未満
測定法 免疫比濁法(TIA)
検体量 尿5mL
日数 2~4日
目的 軽度腎障害(保険適用は糖尿病性腎症)の診断
Decision Level
●30~299mg/日(またはmg/gCr)(増加,微量アルブミン尿)
●20~200μg/分(増加)
[高頻度]糖尿病性腎症初期,起立性蛋白尿,発熱,高血圧,心不全 [可能性]糸球体腎炎,ループス腎炎,腎硬化症 [対策]再検し確認する(変動が大きいため),糖尿病のコントロール状態(空腹時血糖,HbA1c,フルクトサミンなど)の確認,原疾患の診断と治療
●300mg/日(またはmg/gCr)以上(高度増加,顕性アルブミン尿)
●200μg/分以上(高度増加)
[高頻度]糖尿病性腎症,糸球体腎炎,ループス腎炎 [可能性]起立性蛋白尿 [対策]同上
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
尿蛋白が定性で陰性(総蛋白として10~30mg/dL以下)の時期に,尿中に排泄するアルブミンの増加から初期の腎障害を診断することに意義がある.したがって,尿定性で尿蛋白が1+以上の場合にはこの検査は行わず,尿蛋白の定量と必要に応じて尿蛋白の電気泳動を行うべきである.
糖尿病性腎症の初期には,糸球体内圧が上昇し,糸球体が障害されアルブミンの尿中への排泄が増加する.この初期の段階で糖尿病のコントロールを十分行うと,尿中へのアルブミンの排泄が減少し,顕性の糖尿病性腎症の発症を抑制できるといわれている.
高血圧でもアルブミンの尿中への排泄が増加し,高血圧のコントロールにより減少することが知られている.
最近の臨床データは尿中のアルブミンの排泄増加は,糖尿病の有無
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/尿蛋白 [保]*
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