診療支援
検査

結石分析   117点
calculus analysis
磯谷 周治
(順天堂大学大学院准教授・泌尿器外科学)
堀江 重郎
(順天堂大学大学院教授・泌尿器外科学)

基準値 胆石,尿路結石,膵石,唾石に確立された成分基準はない(詳細は本文を参照)


測定法 赤外線吸収スペクトロフォトメトリー(臭化カリウム錠剤法)


検体量 結石10mg(乾燥重量)


日数 4~6日


目的 人体結石症の治療方針決定に必要な情報の把握


Decision Level

●胆石

[可能性]臨床的にはコレステロール石と色素石に大別して分類される.成分としてはコレステロール,ビリルビンCa,炭酸Ca,脂肪酸Caがある.他に蛋白質,中性脂肪,多糖類などが含まれる.コレステロール石は,肉眼的に,純コレステロール石,混成石(外層と内層とが明らかに区別される),混合石(全体にコレステロールとビリルビンCaが混在)に分類されるが,成分分析では,純コレステロール石はコレステロール98%以上,混成石は内層がコレステロール90~98%,外層はビリルビンCaとコレステロールとの混合(コレステロール30~90%),あるいはビリルビンCaや炭酸Caの単一成分で構成される.混合石はビリルビンCaとコレステロールとの混合であるが,コレステロール90~98%と,純コレステロール石に近い例が多い.色素石のうち,ビリルビンCa石はビリルビンCaがほとんど100%であり(ごくわずかにコレステロールや蛋白成分が混在することがある),黒色石はビリルビン重合体などが主成分とされるが,結石分析では単一物質としての定量が困難である [対策]コレステロール胆石は胆嚢内にあって疝痛発作で発症することが多い.一方,色素胆石は胆管内にあることが多く,腹痛,黄疸,発熱を伴うことが多いが,胆嚢造影や腹部超音波検査で描出されにくく慎重に検索する必要がある.胆管結石には,MRCPが最近有用な検査法になっている.色素胆石の描出にはCa1%含有まで検出できるX線CTが推奨される

●尿路結石

[可能性]尿路結石の90%以上はシュウ酸Caを主成分とする結石

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