基準値
・陽性 60ng/mL以上
・中間値 30ng/mL以上60ng/mL未満
・陰性 30ng/mL未満
測定法 ELISA法
検体量 中耳洗浄液0.1mL以上
日数 現時点では結果到着まで1カ月程度かかる場合あり
目的 中耳腔への外リンパ漏出の判定
Decision Level
●60ng/mL以上
[高頻度]外リンパが中耳腔に漏出している [可能性]高蛋白濃度検体,粘稠な検体などの場合に非特異反応による高値 [対策]臨床所見から総合的に判断する
●30ng/mL以上
[高頻度]外リンパが中耳腔に漏出している可能性がある [可能性]高蛋白濃度検体,粘稠な検体などの場合に非特異反応による高値 [対策]臨床所見から総合的に判断する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
内耳の外リンパが中耳に漏れ出す病態が外リンパ瘻であり,外リンパに特異的に存在するCTP蛋白を検出することで外リンパ瘻の判定を行う.
一方,臨床的に外リンパ瘻が疑われない検体の検討を行ったところ,非常に稀に高値を示すことがあり,これらの条件を加味して30~60ng/mLを中間値,60ng/mL以上を陽性と定義した.
今後,臨床知見の累積により,CTP陽性判定の判定値が変動する可能性がある.
[感度・特異度]
外リンパ漏出確実例での感度は86.4%,特異度は100%と報告されている.
[関連する検査]
中耳に漏出した液体が髄液の場合には,髄液漏出を検出するマーカー(β2トランスフェリン)が陽性となりうる.
判読
生理的,経時的変化,性差,年齢差(小児,高齢者),日内変動などは知られていない.
採取保存
本検査では,従来はなかった新たな検体「中耳洗浄液」を用いる.検体採取では,1mLのシリンジと軟性針を用いる.中耳腔に生理食塩液を注入し,通常極めて少量しか漏出しない外リンパをこの液体に捕捉して検査に供する.この検体を中耳洗浄液と呼称する.中耳洗浄