基準値 なし
測定法 リアルタイムPCR法など
検体量 全血3mL程度(口腔粘膜も可)
日数 7~14日
目的 薬物代謝活性の推定
NOTE *保険点数:2,037点(シポニモドフマル酸投与時に限る)
Decision Level
144番目および359番目のアミノ酸の変異を与える遺伝子変異により判定する.Arg144Ile359が野生型(CYP2C9*1)であり,変異型としては CYP2C9*2(Cys144Ile359),CYP2C9*3(Arg144Leu359)および CYP2C9*4(Arg144Thr369)が報告されている.日本人においては,野生型(CYP2C9*1)のアレル頻度が高く98%である.変異型の頻度は2%足らずであり,そのほとんどは,活性が大幅に低下したCYP2C9*3である
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
日本人においては,変異型アレルをホモで有する患者は少ないが,変異型アレルをヘテロで有する患者(*1/*3)においても,フェニトインやワルファリンなどのCYP2C9の基質薬物の代謝が低下することが報告されている.したがって,変異アレルを有する患者においては,CYP2C9の基質となる薬物の血中濃度が高くなるために,薬理効果や副作用が強く現れると予想されるので,投与量の調節などの注意が必要である.
特に多発性硬化症治療薬シポニモドについては,その動態がCYP2C9の遺伝子型に依存することから,CYP2C9の遺伝子診断の必要性が示され,2021年より保険適用となった.
採取保存
採血にあたってはEDTA処理採血管を用い,ヘパリン処理した採血管は用いない.全血採取後24時間以内に検査を行う場合は冷蔵,それ以上の長期保存の場合は凍結(-80℃)で保存.
測定前後の患者指導
薬物代謝酵素の遺伝子診断の実施に関連して,日本臨床薬理学会から「薬理遺伝学検査の運用に関する提言
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