診療支援
検査

NUDT15遺伝子コドン139多型診断〔NUDT15遺伝子多型診断〕   2,100点
genotyping of NUDT15 codon139
安藤 雄一
(名古屋大学医学部附属病院教授・化学療法部)

基準値‍ NUDT15遺伝子のコドン139に遺伝子変異をもたない(野生型Arg/Argである)


測定法 リアルタイムPCR法


検体量 全血2mL


日数 3~12日(MEBRIGHTTM NUDT15キットにて2時間程度)


目的 チオプリン製剤(アザチオプリン,メルカプトプリン)の投与等の判断の補助

NOTE NUDT15活性低下例におけるチオプリン製剤の投与の可否および投与量の判断の補助を目的とするが,他の検査結果および臨床症状とともに総合的に診断するよう注意する.いずれの遺伝子型であっても,定期的な副作用のモニタリングにより経過を観察する必要がある.特に投与初期においては頻回に血液検査などを行う


Decision Level

‍ NUDT15遺伝子コドン139の塩基配列について,CGT(アルギニン,Arg)が野生型であり,TGT(システイン,Cys)またはCAT(ヒスチジン,His)が変異型である.検査結果は,Arg/Arg, Arg/Cys, Arg/His, Cys/Cys, Cys/His, またはHis/Hisとして報告される.

●Cys/Cysのとき

[高頻度]チオプリン製剤による早期の白血球減少等の重篤な副作用がほぼ必発する [対策]チオプリン製剤の投与を原則として回避する

●Arg/Cys, Cys/His, His/Hisのいずれかのとき

[可能性]チオプリン製剤による重篤な副作用が発現する可能性がある [対策]チオプリン製剤を減量して開始する(通常量の半分程度など)

●Arg/Arg(野生型),Arg/Hisのいずれかのとき

[可能性]チオプリン製剤による重篤な副作用がまれに発現する [対策]チオプリン製剤を通常量で開始する


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 アザチオプリンは炎症性腸疾患,全身性血管炎や全身性エリテマトーデス(SLE)などリウマチ性疾患,臓器移植後の拒絶反応の抑制

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?