病態
CRFの基礎疾患としては,慢性閉塞性肺疾患(COPD),わが国に特徴的な肺結核後遺症があるが,近年後者の割合は減少した.さらに特発性間質性肺炎や肺線維症,膠原病関連肺疾患,気管支拡張症,塵肺,肺血栓塞栓症,特発性肺動脈性肺高血圧症など,多岐に及ぶ
[参考]
COPD 診断と治療のためのガイドライン(第6版)2022
異常値
・胸部X線 基礎疾患を検討するためには画像検査は必須.必要により胸部X線,CT
・呼吸機能検査 スパイログラムとフローボリューム曲線が重要.%VCとFEV1,FEV1%,%FEV1,$\rm{\dot{V}}$50,$\rm{\dot{V}}$25,$\rm{\dot{V}}$50/$\rm{\dot{V}}$25が指標となる.肺拡散能力(DLCO)も病態把握に参考となる
・動脈血ガス分析 PaO260Torr以下(室内気吸入時)が呼吸不全の定義.1カ月を超えて持続する場合,慢性呼吸不全と診断.PaCO245Torr以下の場合がⅠ型呼吸不全,45Torrを超える場合がⅡ型呼吸不全
・心電図 慢性呼吸不全に伴う右心負荷の有無をみる.肺性心の有無を判断する
・運動負荷テスト 6分間歩行テストが簡便かつ一般的な方法.具体的な方法についてはガイドラインがある.歩行中の脈拍数,血圧,SpO2など歩行距離と併せて評価
経過観察のための検査項目とその測定頻度
●胸部X線 1~3カ月ごと
●呼吸機能検査 3~6カ月ごと
●動脈血ガス分析 1~3カ月ごと.在宅酸素療法の症例はさらに頻回に測定.症例によりSpO2で代用
●心電図 3~6カ月ごとに測定.右心負荷の有無,進行をチェックする.必要があれば心エコー検査を実施
●運動負荷テスト 6カ月~1年ごと
●血算・生化学検査 3~6カ月ごと.体重,血清アルブミン値,窒素バランス,末梢血赤血球数,ヘモグロビン濃度などにより全身状態を評価