慢性下肢動脈閉塞(LEAD)，下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)

高橋　敦彦

（日本大学短期大学部教授・食物栄養学科）

久代　登志男

（ライフ・プランニング・センター理事長・日野原記念クリニック所長）

病態

　動脈壁への脂質の蓄積や細胞増殖による動脈硬化(粥状効果，中膜硬化，細動脈硬化)に起因する疾患であり，末梢動脈疾患(PAD)の疾患概念に含まれる．ここでは従来の下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)を扱う

[参考]

　末梢動脈疾患ガイドライン2022年改訂版

異常値

●血液生化学検査

・総(LDL)コレステロール　基準値～基準値以上

・HDL-コレステロール　基準値～基準値以下

・中性脂肪　基準値～基準値以上

●リポ蛋白(a)　基準値～基準値以上

●RLP-コレステロール　基準値～基準値以上

●胸・腹部X線　大動脈拡大，蛇行，石灰化

●心電図　虚血性変化

●血圧脈波検査

・足関節上腕血圧比(ankle brachial pressure index；ABI．基準値：1.0～1.4)　0.9以下：異常低値，何らかの虚血がある．0.4以下は重症．1.4より高値：異常高値，高度の下肢動脈硬化を反映

・PWV(pulse wave velocity)　基準値以上

・CAVI(cardio ankle vascular index)　基準値以上

・FMD(flow mediated dilatation)　基準値以下

●眼底検査　動脈硬化性変化

●頭部CT(MRI)　多発性低吸収域(梗塞巣)

●超音波　病変部血管でプラーク，石灰化．ドプラにて血流変化

●MRアンギオグラフィー(MRA)　狭窄部で血流低下，途絶部より末梢側の途絶像

●血管造影〔含むDSA，CTA(computed tomography angiography)〕　狭窄，途絶像，側副血行路

●サーモグラフィー　狭窄ないし途絶部以下の四肢で皮膚温低下(参考値)

●近赤外線分光法(near infrared spectroscopy；NIRS)　基準値以下

●経皮的酸素分圧(transcutaneous oxygen tension；tcPO₂)　基準値以下

●皮膚灌流圧(sk

初出:臨床検査データブック 2023-2024 発行:2023年1月

収載:医学書院 医療情報サービス（2024年5月17日　掲-ID：ken_05009-23_a008b002z0024）