診療支援
検査

レイノー病,レイノー症候群
高橋 敦彦
(日本大学短期大学部教授・食物栄養学科)
久代 登志男
(ライフ・プランニング・センター理事長・日野原記念クリニック所長)

病態

 レイノー(Raynaud)現象は寒冷や精神的ストレスなどにより,突発的,一過性に四肢の細小動脈に攣縮を生じ,指が蒼白,チアノーゼを起こすことをいう(レイノー現象を起こすもののうちレイノー病は基礎疾患をもたないもので,基礎疾患に伴うものがレイノー症候群である)


異常値

●白血球 基準値~基準値以下

●赤沈 基準値以上

●CRP 基準値以上

●抗核抗体 陽性

●抗セントロメア抗体 基準値~基準値以上(レイノー病)

●血清補体価(CH50,C3,C4) 基準値以下~基準値

●尿検査

尿蛋白 陰性~陽性

沈渣 正常~各種円柱

●胸部X線 正常~変化あり

●冷水負荷試験 レイノー現象の再現(サーモグラフィーにより画像化)

●サーモグラフィー 発作時皮膚温低下

●指尖容積脈波 発作時脈高低下

●血管造影 動脈硬化症で狭窄


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●白血球‍ [急性期]2週~1カ月ごと [回復期]1~3カ月ごと [定期的スクリーニング]6カ月ごと

●赤沈‍ [急性期]1カ月ごと [回復期]1~3カ月ごと [定期的スクリーニング]6カ月ごと

●CRP‍ [急性期]1~2週ごと [回復期]1~3カ月ごと [定期的スクリーニング]6カ月ごと

●血清補体価(CH50,C3,C4) 「白血球」の項に同じ

●尿検査 「白血球」の項に同じ

●胸部X線 「白血球」の項に同じ

●冷水負荷試験‍ [定期的スクリーニング]自他覚症状が改善していれば不要

●サーモグラフィー‍ [回復期]1~3カ月ごと [定期的スクリーニング]6カ月ごと.自他覚症状が改善していれば不要

●指尖容積脈波 「サーモグラフィー」の項に同じ


診断・経過観察上のポイント

①レイノー病とレイノー症候群を鑑別することが重要であるが,各種膠原病ではレイノー現象が他の症状に先立って現れてくることが多く,経過観察時には注意を要する.②レイノー病では白血球,赤沈,CRP,抗核抗

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