診療支援
検査

骨粗鬆症
大原 毅
(兵庫県立はりま姫路総合医療センター副院長・糖尿病・内分泌内科部長)

病態

 低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし,骨の脆弱性が増大し,骨折の危険性が増大する疾患


[参考]

 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版


異常値

・骨X線像 椎体骨折または大腿骨近位部骨折,その他の脆弱性骨折

・骨密度 その他の脆弱性骨折ありの場合YAMの80%未満.脆弱性骨折なしの場合YAMの70%以下または-2.5SD以下

・血清Ca,P 基準値

・血清ALP 基準値

・血糖 基準値

・甲状腺機能 基準値

・炎症反応 基準値


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●骨X線像‍ [定期的スクリーニング]6カ月~1年ごと

●骨量測定‍ [定期的スクリーニング]6カ月~1年ごと

●骨代謝マーカー 治療開始前と治療開始から6カ月以内に2回目を測定.治療薬を変更した場合は,変更後6カ月以内に測定

・骨吸収マーカー

・血中・尿中NTX(Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド)

・血中・尿中CTX(Ⅰ型コラーゲン架橋C-テロペプチド)

・血中TRACP-5b(酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b)

・尿中DPD(デオキシビンジノリン)

・骨形成マーカー

・血中BAP(骨型アルカリホスファターゼ)

・血中P1NP(Ⅰ型プロコラーゲンN-テロペプチド)

・骨マトリックス関連マーカー

・血中ucOC(低カルボキシル化オステオカルシン)


診断・経過観察上のポイント

①原発性骨粗鬆症の診断は低骨量をきたす骨粗鬆症以外の疾患,または続発性骨粗鬆症の原因を認めないことを前提とし,下記の診断基準を適用して行う.Ⅰ.脆弱性骨折あり 1.椎体骨折または大腿骨近位部骨折あり,2.その他の脆弱性骨折あり.骨密度がYAMの80%未満.Ⅱ.脆弱性骨折なし 骨密度がYAMの70%以下または-2.5SD以下.②続発性骨粗鬆症や骨粗鬆症類縁疾患の鑑別に必要な血液・尿検査を表224に示す.③骨粗鬆症の治療の経過観察とは骨量測定,骨代謝マーカー,脊椎X線写真

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