診療支援
検査

急性腎障害(AKI)
菱田 明
(浜松医科大学名誉教授)

病態

 急激な腎機能の低下により,窒素代謝産物(クレアチニンなど)の蓄積と,細胞外液量と電解質調節の乱れをきたす状態

NOTE KDIGO(Kidney Disease:Improving Global Outcomes)の診断基準(表233)によりAKIの診断と病期分類を行う.腎障害の原因について,腎前性(腎血流量減少),腎性(糸球体腎炎,尿細管壊死,間質性腎炎),腎後性(尿路閉塞)に分けて鑑別することが診断・治療に重要である.

 従来,「腎機能の低下の結果,高窒素血症,浮腫,高血圧,肺水腫,高K血症,貧血,アシドーシスなどを生じた状態」を急性腎不全として扱ってきたが,集中治療室などで発症する腎障害では「軽度の腎機能低下や尿量の減少」も生命予後に影響することから,より早期の段階で診断し治療することが求められ,急性腎障害(AKI)という概念が提唱され,急性腎不全に代わり広く用いられるようになっ

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