病態
糸球体性血尿や蛋白尿を持続的に呈する.本邦の慢性糸球体腎炎(CGN)の原因として最多であり,本邦では健診での発見が最も多いが,急性上気道炎などに続いて肉眼的血尿を呈することもある.腎生検上,メサンギウム領域を主体とするIgAの顆粒状沈着を認め,メサンギウム細胞と器質の増殖性変化を主とした多彩な病変がみられる.予後はかつて考えられていたより悪く,30~40%の患者が20年程度の経過で末期腎不全に至り腎代替療法を要する.IgA1ヒンジ部の糖鎖異常が発症原因であるという説が有力である
[参考]
エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2020
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018
異常値
・尿検査 [必発所見]持続的顕微鏡的血尿(RBC>5/HPF) [頻発所見]間欠的または持続的蛋白尿(>0.15g/日) [偶発所見]肉眼的血尿,3回以上確認する(「エビデンスに基づくIgA腎症