診療支援
検査

腎・尿路結石症
林 松彦
(河北総合病院・臨床教育・研修部部長)

病態

 腎・尿路において可視的な大きさに結晶が形成されたもの


[参考]

 尿路結石症診療ガイドライン 2013年版


異常値

●尿沈渣 尿路閉塞を生じたものでは赤血球5/強拡大1視野以上.原疾患により特徴的な結晶を認める.例:シスチン尿症

●尿試験紙 潜血反応陽性

●血清Ca濃度 10.5mg/dL以上で副甲状腺機能亢進症を疑う

●血清尿酸濃度 7mg/dL以上の場合がある

●血清電解質,血液ガス分析 尿細管性アシドーシスⅠ型で,低K血症,高Cl血症,代謝性アシドーシス

●尿pH pH5.5以下で尿酸結晶を生じやすい

●尿中Ca排泄量 300mg/日以上または150mg/gCr以上で高Ca尿症と診断

●尿中シスチン排泄量 300mg/日以上でシスチン尿症と確定診断される.正常は30mg/日以下.30~300mg/日ではヘテロ接合の場合

●結石成分分析 原疾患により成分が異なる

●腹部X線 Ca結石で撮影される

●単純低線量CT 結石同定に感度・特異度ともに最良

●腹部超音波 腎・腎盂・膀胱結石で有用性が高い

●腎盂造影 CTが使用できない場合用いられ尿管結石では有用性が高い


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●検尿・尿沈渣(結石発作時) 潜血,尿沈渣中の赤血球数 [急性期]2~3日ごと [回復期]1週後,正常化すれば不要

●尿中Ca 高Ca尿症の場合,治療効果判定に用いる [急性期]2週ごと [回復期]2~3カ月ごと

●血清尿酸濃度 高尿酸血症を伴う場合治療効果判定に用いる [急性期]2週ごと [回復期]2~3カ月ごと

●血清電解質 尿細管アシドーシスの場合,治療効果判定に用いる [急性期]1~2週ごと [回復期]1~3カ月ごと

●尿pH 尿酸結石予防のために尿アルカリ化をはかる [急性期]2週ごと [回復期]2~3カ月ごと


診断・経過観察上のポイント

①尿路感染症を伴う場合,その治療を行う.②反復症例では,高Ca尿症

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