診療支援
検査

腎腫瘍(腎細胞癌)(RCC)
永田 政義
(順天堂大学大学院准教授・泌尿器外科学)
堀江 重郎
(順天堂大学大学院教授・泌尿器外科学)

病態

 主に腎近位尿細管から発生する癌


[参考]

 腎癌診療ガイドライン2017年版(2019年アップデート)


異常値

●超音波 内部エコーは不均一,大小不同の点状エコー像がみられる.腎門部の癌ではCEC(central echo complex)の不整,消失がみられる

●CT 淡明細胞癌(clear cell carcinoma)では腫瘍は造影され,早期相でvascularity(血管分布像)が高くなり,後期相でwash outされる.乳頭状癌や嫌色素性癌(papillary type,chromophobe type)はvascularityが低い

●MRI 腎静脈や下大静脈内の腫瘍塞栓の判定に有用

●腫瘍マーカー 以下の項目があげられるが,スクリーニング,経過観察には適していない.腎細胞癌の特異的な腫瘍マーカーは確立されていない.

Hb 低下することがある

CRP,赤沈 炎症が強く,進行の早いrapid typeでは上昇する

IAP(免疫抑制酸性蛋白) 500μg/mL以上

α2-グロブリン 10%以上

IL-6(インターロイキン6) 55pg/mL以上

エリスロポエチン 高値をとることがある

PTHrP(副甲状腺ホルモン関連蛋白) 高値をとることがある

血清Ca 上昇することがある

AST,ALT 高値をとることがある(Stauffer syndrome)

LD 高値をとることがある

●転移性腎細胞癌のリスク分類(IMDCリスク) ①Karnofsky performance status(KPS)<80%,②診断から全身治療開始までが1年未満,③Hb低値,④血清Ca高値,⑤好中球の増加,⑥血小板の増加の6項目がいずれも当てはまらないものをgood risk,1~2項目当てはまるものをintermediate,3項目以上当てはまるものをpoor riskとする.現在はこのリスク分類に

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