診療支援
検査

関節リウマチ(RA)
舟久保 ゆう
(埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科)
三村 俊英
(埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科)

病態

 原因不明であるが,自己免疫機序によると思われる慢性多発性関節炎を主体とする全身性疾患.関節炎の主病変は関節滑膜にあり,その炎症と増殖が,骨,軟骨などを傷害し,関節の破壊と変形を起こす.中年以降に多く,3:1で女性に多い


[参考]

 関節リウマチ診療ガイドライン2020


異常値

・リウマトイド因子 陽性のことが多い.陰性でもRAを否定はできない(発症時70%,発症2年以内に80~85%が陽性).また,Sjögren症候群などの膠原病やウイルス性肝炎など他の疾患でも陽性になることがある

・抗CCP抗体 陽性.早期RAにおいても80%以上の感度,特異度を示すとの報告もあり,RAの早期診断に有用なマーカーである.診断のためのみに用いる

・MMP-3 高値を示す.RAの活動性の指標となり,骨・関節破壊の予後予測に有用

・赤沈 ほとんどすべての症例で亢進(活動性の指標となる)

・CRP 増加することが多い(活動性の指標となる.感染症のマーカーにもなる)

・血小板 増加することがある(炎症の程度による)

・血清アルブミン 減少することが多い

・γ-グロブリン 増加することが多い


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●赤沈 疾患活動性判定,治療効果判定のために測定する [急性期]2週ごと [慢性期]1~2カ月ごと

●CRP 疾患活動性判定,治療効果判定,感染症など有害事象モニターのために測定する [急性期]2週ごと [慢性期]1~2カ月ごと

●血清アルブミン 活動性判定,副作用モニターとして測定する [急性期]2週~1カ月ごと [慢性期]1~3カ月ごと

●白血球 活動性判定,副作用モニターとして測定する [急性期]2週~1カ月ごと [慢性期]1~3カ月ごと

●赤血球,Hb,Ht 活動性判定,副作用モニターとして測定する [急性期]2週~1カ月ごと[慢性期]1~3カ月ごと

●血小板 活動性判定,副作用モニターとして測

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