病態
瘙痒を伴う湿疹が増悪・寛解を繰り返す疾患である.多くがアトピー素因をもち,Ⅰ型,Ⅳ型アレルギーが病態に関与する.皮膚の「バリア機能」の低下という非アレルギー的側面も重要であり,表皮角層内に存在するセラミド含有率の低下やフィラグリンの発現低下が関与する.日本人の20~30%にフィラグリン遺伝子の変異を認める.また,瘙痒閾値の低下が存在する.神経系が関与しており,末梢神経系の機序として痒み刺激を伝えるC線維の分布が表皮や角層まで伸長していることが示されている.中枢神経系機序としてSTAT3依存性に脊髄アストロサイトの活性化が報告されている.ヒスタミン非依存性経路としてIL-31が関与する.脊髄後根神経節の受容体に作用しニューロキニンBを誘導し瘙痒を惹起する.最近,真皮に存在する神経栄養因子arteminや触覚を感知するメルケル細胞の関与も報告されている.血清IgEが高値でバリア機能異常が