診療支援
検査

免疫学的検査

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C反応性蛋白

C-reactive protein(CRP)


測定法 ネフェロメトリー

成人の基準値 350ng/mL以下

解説 小児のCRPの基準範囲を論じる際,健康人集団の分布を把握する本来の基準範囲の考え方で捉えるか,臨床的カットオフを求めるためのものかで他の項目と大きく異なる.同様にその数値を臨床的に活用する際の目的によっても異なる.今回得られたデータも年齢による大まかな分布とみるべきで,いわゆる健康な子供でもこの程度までの異常値を示すことがあるのだ,程度の認識とされることが有用であり,ここでの値をそのまま炎症病態を診断するカットオフ値とすることは,偽陽性・偽陰性いずれをも増し,せっかくの定量値がかえって診断のプロセスに混乱を招くことになる.

 年齢や諸条件別に基準値を設定するのが,必要かつ有用なのは,現状では,出生直後から数日の早期新生時期であろう.出生後の急激な変動はよく知られており,この間は1日当たり2~3回のモニタリングにより変動のパターン(出生直後のきわめて低値から急激に上昇し日齢2~3日にピークをもち,以後みかけ上の半減期に従って減少する)から外れることを異常と捉えることが,この時期の新生児感染症などをより早期に捉えるために有用である.同様に術後のCRP変動をモニターすることで,感染症や他の合併症の併発の早期診断にも有用であろう.


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フェリチン

ferritin

測定法 RIA(2抗体法)

成人の基準値

・男性26~240ng/mL

・女性8~74ng/mL

解説 各年齢とも基準値が広範囲に分布していることがわかる.各年齢層別の相乗平均値をみると小児期の鉄貯蔵状態の推移を反映しているといわれている.

 すなわち,新生児期に赤血球の崩壊により貯蔵鉄が増加し2カ月頃までは高値を示すが,その

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