A.ER診療のポイント
●頻尿とは異常に短い間隔(2時間以下)で排尿がある症状を意味する.通常は日中覚醒時で8回以上,就寝後に3回以上の尿意を自覚する.しばしば尿意切迫(排尿が我慢できなくなる切迫感),時に尿失禁を併発する.
●最多の原因は下部尿路感染症(膀胱炎,尿道炎)なので,尿路感染症を仮定し,問診で確認をしていく.
●上行感染(腎盂腎炎)の除外診断を意識して診察を行う.
●多くは抗菌薬の内服で順調に治癒するが,合併症のあるハイリスク例では治療が奏効しないことがある.
B.緊急性の判断と最優先の処置
1全身状態としての緊急性を判断 大半は全身状態良好で発熱を伴わない.逆に発熱や悪寒,頻脈,頻呼吸,舌乾燥(いずれも脱水症,炎症の進行を意味する)といった異常が一つでも確認できれば,すでに帰宅・外来治療では危険と考える.
2腎盂腎炎をまず除外 緊急性の高い疾患はまず腎盂腎炎である.通常,発熱悪寒を伴うが,