A.救急領域における消毒法とその特徴
●院内感染を考慮する上で消毒法は,最も基本的な手技の一つである.
●病原体あるいは対象となる器物により方法が多少異なるので基本原則が重要である.
●救急における消毒法で重要なことは,実践で使える知識と禁忌を整理しておくことである.
●救急処置時の消毒や手洗いにおける消毒に関する知識が重要である.
●消毒薬を選択するにおいては,対象とする微生物,対象物,消毒薬の濃度,作用時間,作用温度(低いと殺菌力低下)などを考慮した有効な使い方が求められる.
●本項で提示した消毒薬は,それぞれのカテゴリーの中心であってそれ以外についても参考にされたい(表1図,2図).
B.消毒法に関係する用語説明
1消毒 人畜に有害な微生物または目的の微生物のみ殺菌すること.滅菌のような無菌状態とは異なる.消毒範囲に該当しない微生物においては増殖している可能性がある.
2滅菌 完全な無菌状態にする行為