診療支援
治療

耳鼻咽喉科救急
otolaryngolgisal emergencies
佐野光仁
(大阪府立母子保健総合医療センター・耳鼻咽喉科部長)

 こども病院で勤務していると小児・乳幼児の救急疾患にしばしば遭遇する.その主な症状は痛み,出血,呼吸困難・喘鳴,嚥下困難などである.

①痛みを生じる致命的な疾患はないが耳鼻咽喉科救急疾患として頻度の高い疾患は急性中耳炎,鼓膜外傷,外耳道外傷,外耳道異物などが挙げられる.

②出血については疾患の部位別に外耳道外傷,鼻出血,口腔内出血などが挙げられる.

③喘鳴・呼吸困難,嚥下困難を生じる疾患は気道異物,食道異物が代表的な疾患で,その他扁桃周囲膿瘍,急性喉頭蓋炎,急性仮声帯炎,急性声帯炎,急性声門下喉頭炎があり,これらの疾患は致命的な状況に陥る要素を含んでいる.

 代表的な救急疾患である急性中耳炎,鼻出血(鼻骨骨折を含む),急性喉頭蓋炎,急性声門下喉頭炎,気道(喉頭,気管,気管支)異物,食道異物について述べる.


Ⅰ.急性中耳炎


A.診療のポイント

●かぜにかかり咽頭痛・鼻漏を訴え,耳痛・耳漏が出現すると急性中

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