診療支援
治療

異物(釣り針,とげなど)
foreign body
秋元 寛
(大阪府三島救命救急センター・所長)

A.病態

●異物による外傷の主病態は,出血と感染である.

●異物の刺入部位,血管との関係により出血の程度は様々である.

●異物は刺入部位が小さい割に深い創となっている場合が多く,感染を念頭に置いた処置をすべきである.

●異物の種類によってはX線検査での検出は困難であり,摘出後も異物が残存している可能性を常に考えておく必要がある.

●自ら何度も異物を刺入する症例では,精神疾患を基礎に持つ患者である可能性が高く,精神科との連携が必要となる.


B.初期診療と重症度判断

1病歴聴取

 受傷機転と,受傷から来院までの時間を聴取する.

①受傷部位.

②受傷時の状況:汚染創かどうかを判断する.

③異物の材質,形状,大きさ:X線写真に写るかどうかの判断に必要である.

④受傷から来院までgolden time(受傷後6時間以内)内であるかどうか.6時間以上経過していれば感染創として扱う必要がある.

2診察

 創の十分な観察をする.

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