診療支援
治療

尿道留置カテーテル挿入
urethral incatheterization
百瀬 均
(星ヶ丘厚生年金病院・病院長補佐)

A.適応,合併症,ピットフォール

1適応

 ①尿閉症例,②高度の血尿症例,③全身状態不良で自排尿不能な症例,④厳密な尿量測定を要する症例,⑤尿道損傷の初期治療.

2合併症

①挿入困難例での尿道損傷

②不適切な部位でのバルーン拡張による尿道損傷

③女児における誤挿入による腟損傷

3ピットフォール

➊細いカテーテルの方が挿入しやすいとは限らない.成人の場合は14Frを基準とする.

➋尿が流出したから膀胱内に到達したとは限らない(先端が前立腺部尿道に位置しても,尿が流れ出ることがある).カテーテルの根本まで確実に挿入した上で,バルーンを膨らませること.

➌外尿道括約筋の収縮が原因で挿入できない場合(抵抗が生じる部位で推察する)は,まず患者に深呼吸を促し,呼気時にあわせてカテーテルを挿入すると,括約筋部を通過しやすいことが多い.また,外尿道口から1%リドカインゼリー(キシロカインゼリー®)を10mL程度注入すること

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