どのような皮下異物でも基本的な考え方,処置の流れは同じであるが,釣り針,縫い針は少し特殊な点があるので個々に述べる.
Ⅰ.釣り針
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A.適応,合併症
釣り針の先端には返しと呼ばれる部分があり,刺入部に針の後端が露出していたとしても,逆方向に刺入口から引き出すのは適切ではない.返しの部分が組織に引っかかり針の先端が折れてしまったり,周囲の組織を引き裂いてしまうことになる.X線で釣り針の存在と位置を確認した後,局所麻酔手術に準じた準備をして摘出術を行う.
B.インフォームドコンセントでの注意
①手術に準じた処置であり同意書を取るべきである.
②簡単に摘出できないことも多く,救急外来での無理な操作は合併症の可能性もあるため深追いはしないことを説明する.
③眼瞼や耳介などの顔面の各部位では,摘出だけではなくその後の治療も重要であることを説明する.
④刺入した釣り針が土壌などでの汚染が強かったり錆びついて