2010年7月17日「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律(いわゆる改正臓器移植法)」が施行された.これに伴い,本人の臓器提供に関する生前意思が存在しなくとも,家族の承諾によって脳死下臓器提供が可能となり,同時に従来設けられていた年齢制限が撤廃されたため,15歳未満の小児からの脳死下臓器提供も可能となった.また親族優先提供の機会も設けられた.今後,国内の法的脳死判定および脳死下臓器提供の機会の増加が予想されている.特にわが国では未だ小児における法的脳死判定の実施と,脳死下臓器提供の経験が存在しないため,この度の改正により脳死判定基準,臓器提供施設や判定医の資格の問題,被虐待児除外の手法などが新たに定められた.臓器提供における具体的な手続きは,「臓器の移植に関する法律施行規則」,「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)」に則った方法で行うこととされている.
診療支援
治療
臓器移植のシステム
The system for organ procurement from heart beating donor
初出:今日の救急治療指針 第2版
発行:2012年1月
収載:医学書院 医療情報サービス(2024年11月7日 掲-ID:kyu_01218-02_a010z0004)
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