診療支援
診断

出血傾向
bleeding tendency
奈良 信雄
(日本医学教育評価機構 常勤理事/順天堂大学医学部 客員教授/東京医科歯科大学 名誉教授)

出血傾向とは

定義

 出血傾向とは,止血機構になんらかの異常があり,止血しにくい状態をいう.手術後や月経に伴って出血量が通常よりも多いとか,血尿や消化管出血など健康状態では出血すべきではない部位に出血がみられたり,たいした物理的刺激が加えられてないのに紫斑を生じたりする.

患者の訴え方

 患者は,「赤(青)アザができた」「鼻血が出て止まらない」「歯を磨いたときにダラダラと血が出る」「生理の量が最近多い」などと訴える.抜歯後の止血困難や,小手術後の出血で紹介されて来院することもある.

患者が出血傾向を訴える頻度

 出血傾向だけを主訴とする患者の頻度は多くない.しかし,出血傾向のうちでも重症な播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation; DIC)は感染症や悪性腫瘍などの基礎疾患に続発するので頻度は高く,1年間に3万人以上で発生していると推計されている.

 

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?