口渇とは
定義
“真の口渇”とは,血漿浸透圧(Posm)の上昇や循環血液量の減少により,視床下部の口渇中枢が刺激されることによって生じる水または飲料摂取に対する欲求であり,体液恒常性の維持に重要な生理的症候である.
一方,口腔粘膜の乾燥や唾液分泌の低下によっても同様の訴えを生じることがある(口腔内乾燥感).
患者の訴え方
真の口渇感の場合,患者は「喉が渇く」などと訴える.一方,口腔内乾燥感による場合は「口が渇く」などと訴えることが多い.
患者が口渇を訴える頻度
正確な頻度は不明であるが,脱水(特に水欠乏症あるいは高張性脱水),糖尿病など日常診療で多く経験する疾患において,しばしばみられる症候であるため,その頻度はきわめて高い.
症候から原因疾患へ
病態の考え方
患者が口渇を訴える場合,それが口渇中枢を介して生じた真の口渇なのか,口腔内乾燥感としての訴えなのかをまず考える.
真の口渇の場合,水分摂取の