診療支援
診断

外傷
trauma
望月 俊明
(がん研究会有明病院救急部・集中治療部 副部長)

外傷とは

定義

 外傷とは,外的要因により身体の組織,臓器が損傷を受けることである.外傷は,外力発生の種類,損傷形態,損傷部位などによりさまざまな分類がある.

 外力の種類による分類としては,鈍的外傷と穿通性外傷に分類される.鈍的外傷は鈍的な形状のものによる外傷と定義され,交通事故,墜落,転落など,わが国の外傷の大半を占める.穿通性外傷とは,刃物や銃などの鋭的な形状のものによるもので,傷害事件や自傷行為などで生じることが多い.局所の内臓の高度障害をきたすことがあり,重症となることが多い.

 損傷部位による分類としては,その数により単独外傷と多発外傷に分類される.通常,AIS(Abbreviated Injury Scale)注1)3以上の損傷が身体区分の2区分以上にみられるものを多発外傷という.

注1)AISとは,外傷の種類と解剖学的重症度をコードで表し,重症度を6段階で評価したもの.

患者の訴え方

 

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?