診療支援
診断

嚥下困難
76歳 女性
山本 桂子
(北海道大学大学院光学医療診療部 助教)

現病歴:慢性特発性偽性腸閉塞にて外来通院していたが,1週間前から排便回数が減少,腹部膨満,嘔吐などの症状が高度となり,救急外来を受診.腹部CTで高度の小腸拡張を認め,現病の増悪として入院加療の方針となった.数日間の絶食,点滴などの保存的治療で症状は改善傾向を認め,食事が再開となった.しかし,食中食後に「胸にものがつかえる」「食べ物が,みぞおちのところで詰まって落ちていかない」と訴えるようになり,さらに食中の逆流,嘔吐を認めるようになった.

既往歴:2年前に帯状疱疹.

生活歴:飲酒・喫煙歴なし.

家族歴:特記すべきことはない.

身体所見:意識は清明.身長145cm,体重29.5kg,血圧125/46mmHg,脈拍74回/分(整),SpO2 97%(room air).眼瞼結膜に貧血はなく,眼球結膜に黄染を認めない.心音,呼吸音に異常を認めない.腹部軟,軽度膨満,腸蠕動音減弱,鼓音を認める.腹部圧痛・

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