現病歴:前医にて直腸癌内視鏡的切除6年後,経過観察のCTで骨盤内腫瘍を指摘された.子宮癌を疑われ当院に紹介されたが精査の結果,直腸癌再発と診断された.切除不能であり,S状結腸人工肛門造設のうえ薬物療法・放射線療法が施行された.その後も薬物治療が継続されるなか左殿部から膝窩にかけて下肢背面の疼痛が生じた.
既往歴:44歳時に腰椎すべり症に対し前方固定術,64歳時に高血圧.
生活歴:主婦.喫煙歴なし.機会飲酒.
家族歴:父親:くも膜下出血,母親:大腸癌,脳梗塞.
身体所見:意識は清明.身長147cm,体重42kg,脈拍60回/分(整),血圧96/52mmHg,体温37.0℃,呼吸数16回/分,SpO2 97%(room air).眼瞼結膜は貧血様.黄疸なし.頸部リンパ節を触知しない.心音,呼吸音に異常なし.腹部は平坦・軟で圧痛なし.腸蠕動音異常なし.左下腹部にストマを認める.左殿部から膝窩にかけて下肢