最初の10分メモ

含有する製品

【SDA】

・パリペリドン薬（インヴェガ®）

・ブロナンセリン薬（ロナセン®）

・ペロスピロン（ルーラン®薬）

・リスペリドン薬（リスパダール®，リスペリドン®）

【MARTA】

・オランザピン（ジプレキサ®薬薬，ジプレキサザイディス®薬）

・クエチアピン（セロクエル®薬）

・クロザピン薬（クロザリル®薬）

診断のポイント

・統合失調症などの病歴または非定型抗精神病薬の服用歴のある患者に，昏睡などを認める．

治療のポイント

・適切な全身管理が重要．

Do＆Don't

・プロカインアミドなどのClass 1a抗不整脈薬は膜興奮抑制（キニジン様）作用を増強するので禁忌．

概説

　非定型抗精神病薬は，リスペリドン薬薬をはじめとするセロトニン・ドパミン拮抗薬（serotonin-dopamine antagonist；SDA），オランザピン薬薬をはじめとする多元受容体作用抗精神病薬（multi-acting receptor targeted antipsychotic；MARTA）などに分類される．非定型抗精神病薬は，陽性症状のみならず陰性症状にも有効だとされる上に，錐体外路症状などの副作用が少ないため，フェノチアジン誘導体やブチロフェノン誘導体などの従来型抗精神病薬に置き換わり，処方量は激増している（化学構造：SDAは図1図，MARTAは図2図）．

薬物動態

図

・リスペリドンは分布容積が比較的小さいが，蛋白結合率は高い→血液灌流法は有効な可能性がある．

・大部分は肝臓でチトクロームP450酵素系によって代謝される．

・リスペリドン薬薬には活性代謝物である9-hydroxyrisperidoneがあるが，他の薬物には活性代謝物はない．

毒性のメカニズム

・SDAは，強いドパミンD₂受容体遮断作用，および，強いセロトニン5-HT₂受容体遮断作用によって抗精神病作用を発揮するだけでなく，いずれも比較