診療支援
治療

11アセトアミノフェン
上條 吉人
(北里大学特任教授・中毒・心身総合救急医学)

最初の10分メモ

含有する製品

・処方薬:アセトアミノフェン〔カロナール錠200®(1錠中200mg),カロナール錠300®(1錠中300mg),タイレノールA®(1錠中300mg),タイレノールFD®(1錠中150mg)〕

・OTC薬:アセトアミノフェン含有合剤〔エキセドリンA錠®(1錠中150mg),新セデス錠®(1錠中80mg),ノーシン錠®(1錠中150mg),バファリンプラスS®(1錠中150mg),パブロンゴールド錠®(1錠中100mg)〕など多数


診断のポイント

・感冒薬,鎮痛・解熱薬などの服用歴のある患者に無食欲,悪心・嘔吐を認める.

・肝毒性は,用量依存性で,150mg/kg以上の服用で生じる可能性がある.OTC薬は1錠あたり150mg前後のアセトアミノフェンを含んでいるものが多いので,体重(kg)と同じ錠数以上の服用が中毒量の目安となる.

・市販の感冒薬,鎮痛・解熱薬にはdl-ジメチルエフェドリン塩酸塩またはジヒドロコデインリン酸塩も配合されていることが多いので,Triage DOA®で,AMP(アンフェタミン類)またはOPI(オピオイド類)が陽性となればアセトアミノフェン中毒を疑う(尿のスクリーニング検査:1)Triage DOA®参照).

・アセトアミノフェン中毒を疑ったら,アセトアミノフェンの血中濃度をただちに測定する.


治療のポイント

・アセトアミノフェンの単回の過量服薬では,摂取後4時間以降の血中濃度を測定してSmilksteinの治療線より上にある,または,血中濃度が測定できない場合は150mg/kg以上の服薬ではN-アセチルシステイン療法を施行.


Do&Don't

・OTC薬では名称が類似していても成分や配合量が異なっているので注意.パッケージや瓶に記載されている成分表からアセトアミノフェンの服薬量を正確に把握.

・アセトアミノフェン中毒は,単回の過量服薬

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