最初の10分メモ
含有する製品
・処方薬:ブロムワレリル尿素(ブロバリン®,ブロムワレリル尿素®,ブロモバレリル尿素®)
・OTC薬:ブロムワレリル尿素〔ウット®(1錠中83mg)〕
診断のポイント
・精神障害の病歴またはブロムワレリル尿素の服用歴のある患者に,傾眠,昏睡,呼吸抑制,頻脈などを認める.
・臭素はX線の透過性が低いため,胃内にX線不透過像を認める(図1図).
・血中濃度が高値である(>50μg/mL).
治療のポイント
・呼吸抑制・呼吸停止には速やかに気管挿管および人工呼吸器管理を施行.
・尿量を維持して臭素イオンの排泄を促す.
・低血圧などが難治性であれば,血液灌流法または血液透析法を考慮.
Do&Don't
・胃内にX線不透過像を認めたら,ブロムワレリル尿素中毒を疑う.
・症状の持続または腹部X線にて胃内の薬物塊が疑われたら内視鏡を施行.
概説
ブロムワレリル尿素は,催眠・鎮静薬として処方または市販されている.また,解熱・鎮痛薬,鎮暈薬などの成分として多くのOTC薬に配合されている.近年では,催眠・鎮静薬は,有効かつ安全なベンゾジアゼピン類に置換され,ブロムワレリル尿素の処方量は激減した(化学構造:図2図).
薬物動態
・分布容積が小さく,蛋白結合率が低い→過量服薬では半減期が延長するので,血液灌流法または血液透析法が有効な可能性がある.
・大部分は肝臓で速やかに代謝されて,代謝物を産生するとともに臭素イオン(Br-)を遊離する.
・代謝物およびBr-は尿中に排泄される.
・酸性胃液中で薬物塊を形成することがある.
毒性のメカニズム
・遊離された臭素イオンは中枢神経に移行し,塩素イオンと置換されて,中枢神経抑制作用および心筋抑制作用を発揮する.
・血中濃度が上昇するほど中毒症状は重症となる.
中毒域:50μg/mL以上
致死域:100μg/mL以上
症状
・中枢神経抑制作用により,傾眠,昏睡,呼吸抑
関連リンク
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